【Switch】トライアングルストラテジーのレビューとシステム解説

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はからずしも2022年3月4日という、
現実世界の緊張が21世紀以降かつてないほどに高まっているこの時期にリリースされてしまった本作
シミュレーションRPGという外観で国家運営を疑似体験するゲームとして作りこまれています。

魅力とその特徴的なゲームシステムについて解説を行いたいと思います。

 

トライアングルストラテジーのゲーム概要解説

塩と鉄という資源にまつわる、
中世ファンタジー版三国志とも大河ドラマとも取れる戦記もののゲームです。

『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジータクティクス』の系譜にあるとの触れ込みで、
「シュミレーションRPG」の新規IPとして満を持して発売されました。
海外最大手のレビューサイトMetacriticでも、
メタスコア83点と高得点評価を獲得しています。
国内ゲームプレーヤーからは『トラスト』と愛称でプレイされはじめているようです。

SRPGジャンルのファンをはじめ、
『ブレイブリーデフォルト』シリーズや『オクトパストラベラー』でも有名な、
浅野智也氏のチームがプロデュースしていることもあり発売前から話題になっておりました。
(それもあってかストーリーパートやアイコンなど、
ブレイブリーデフォルトの雰囲気に近いように感じます)

トライアングルストラテジー貴重品画面

 

非常に美しいHD2Dグラフィックと音楽

ゲームは非常に美しいHD2Dグラフィックで進行します。
美しい背景のなか懐かしさを感じるドット絵のキャラクターがいきいきと描かれています。

また音楽はNHK大河ドラマ『風林火山』を手掛けられた千住明氏が担当されており、
非常にドラマチックにゲームをすすめていけます。
(ゲーム音楽は初の試みだそうです)

ノゼリアという大陸を舞台にストーリーは進行します。

 

トライアングルストラテジーの基礎用語の解説

ノゼリア大陸は塩と鉄を中心に三すくみの情勢になっています。

 

・エスフロスト公国
エスフロストは年中雪に囲まれた国です。
豊かな鉄の鉱山を有し、鉄加工でも名がしれていることから別名「鉄の国」とも呼ばれています。
そのため強力な鉄器で武装した兵団を持つことでも知られています。
グスタドルフ元帥が率いており、重んじるものは自由です。
学問の自由も推奨されており、
国立の図書館などがある。能力による人材登用を大いに奨励されています。

 

・聖ハイサンド大教国
「塩の女神」を信仰する宗教国家です。
ノゼリア大陸で唯一の塩を生産できる塩湖を国内に有しています。
教皇が統治しており、教皇を首長とする七聖人が内閣のように振る舞っています。
魔法や医療の研究が非常に進んでいることも特徴のひとつです。
塩の流通を独占しているため、財力が非常に突出しています。

 

・グリンブルク王国
エスフロスト公国と聖ハイサンド大教国に挟まれる場所に位置する国です。
ノゼリア大河を要しているため交易が盛んにおこなわれています。
レグナ王を中心に、ウォルホート家、テリオール家、ファルクス家の豪族御三家が中心となって国家を運営しており、
主人公の生家であるウォルホートはメインリーダー的存在です。

はい、やっと主人公が出てきましたね
主人公はグリンブルク王国の御三家のひとつ、
ウォルホート家当主のシモンの嫡男、「セレノア」を操作していきます。
偉い人だけど王家ほど偉くはない絶妙な立ち位置から世界を見ていくことになります

 

・塩鉄大戦
三十年前にエスフロストがハイサンドによる塩の独占を崩すためにグリンブルクと組んでしかけた戦争。
それぞれ壮絶な人的・経済的損害を受け、痛み分けとなって終戦しました。
戦後に中立の「ノゼリア商会」を設立され、三国の関係性の調整を取りもつこととなり、
本編時間軸がスタートします。

 

ゲーム進行の解説

トライアングルストラテジーワールドマップ
トライアングルストラテジーは第〇話という形で、本編が進行していきます。
本編は3つのパートから構成されています。

・ストーリーパート
・バトルパート
・RPGパート

すべてワールドマップ上でイベントマークを選択し、
ゲームを進行していきます。
イベントマークの色が赤の場合はメインストーリー、
緑色の場合はサブクエストという意味合いになっています。
(このあたりもブレイブリーデフォルト感ありますね)

またバトルパートの場合は「剣のマーク」が、
RPGパートの場合は「虫めがねマーク」がマップに表示されます。
ストーリーパートのみの場合は特に何も表示されません。

 

トライアングルストラテジー詰所
ワールドマップ上では「詰所」と呼ばれるエリアにメニューから移動できます。
ここではアイテムを購入したり、武器を強化したり、
クラスを上げたり想定戦闘を行ったりと、様々な機能があります。

 

ストーリーパートの解説

トライアングルストラテジー第3話後編分岐2
非常に美しいHD2Dのグラフィックのなか、
キャラクターがフルボイスで会話して進行していきます。
ムービー等は無く、あくまでHD2Dのゲームグラフィックのまま進行します。
このときはカメラも固定となっています。

ZRで自動進行するので、内容理解につとめましょう。
またXボタンを押すと発話中のキャラクターの立ち絵と人物紹介を見ることができます。

このストーリーパートでノゼリア大陸の各国や要人への理解を深め
トライアングルストラテジーの核をなす「信念」をどう選んでいくかを考えて決断していきます

 

ストーリーパートのレビュー・注意点

ストーリーパートは非常によく練られた重厚な戦記を楽しむことができます。

ただし、序盤はめちゃくちゃこのパートの比重が大きいです
いや、大事だしここをしっかり理解しておくことで選択肢に深みが出るのは理解できるのですが、
タクティクス系のゲームということから戦闘がメインで、
戦闘内でもストーリーが進んでいくイメージでいるとちょっとイメージが違うように思います

ムービーなどが入るわけではないのでともすると「人形劇」や「紙芝居」のように感じられ、
ゲームに入り込むのに少し抵抗が生まれるかもしれません。
(イラストの立ち絵が常にセリフ横に出てこないのも悪影響しているように感じます)

このあたり良くない意味でのブレイブリーデフォルトっぽさを感じやすいかもしれません。

 

が、ストーリーが進むごとに加速度的にテンポもストーリーもおもしろくなってきますので、
最初の世界観の説明の時間を乗り越えられると一気によりおもしろくなります

 

バトルパートの解説

トライアングルストラテジーバトルパート
毎話ごとに一回、バトルパートが発生します。
ワールドマップ上で戦闘のシンボルマークが発生しますので、
詰所などで準備を整えてから進行しましょう。
バトル一戦は40分程度です。

 

トライアングルストラテジーバトルパートユニット編成時
自軍の編成は剣マークがついているキャラクター6名~10名で行います。
主人公のセレノアを外して戦闘を行えることもめずらしくありません。

バトルはターン制ではなく、速度順による入り乱れた戦闘になります。
まさに『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジータクティクス』に近いバトルシステムです。

ユニットの行動はアクションかアイテムを選択。
馬や鳥などを有するユニットは移動範囲広がっています。

また本作ではMPの概念が無く、
あくまで行動ポイントを消費してアクションが取れるようになっています。
ポイントは順番が回ってくるごとに1ポイント回復します。

『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジータクティクス』と同じく、
一行動を行うごとに経験値が入りますので、ガンガン行動しておいた方がレベルが上がっていきます。
(戦闘だけではなくアイテムを使っても経験値が入ります)

なにより『ファイヤーエンブレムシリーズ』などのSRPGとは違い、
キャラロストが発生しません(!)
安心してゲームを進めていけるのはジャンル初心者には助かる点ですね。

また経験値やお金とは別に「戦功」というポイント概念があります。
一定の条件を満たして敵ユニットに攻撃を行うともらえるポイントとなっており、
ストーリーを進めて出てくる「よろずや」にてさまざまなアイテムと購入することができます。

トライアングルストラテジー戦功ポイントについて1
トライアングルストラテジー戦功ポイントについて2

 

戦功ポイントの発生条件の一例

バックアタック 敵ユニット後ろから攻撃をヒットさせると発生
追撃 自軍ユニットで挟み込んで攻撃をすると発生
高所攻撃 敵ユニットより高い位置から攻撃をヒットさせると発生
安全圏からの攻撃 敵からの反撃を受けない位置から攻撃をヒットさせる

 

ちなみにドロップアイテム回収(戦利品)はそのマスへユニット移動が必要となりますのでご注意ください。
ボスキャラクターなどを倒した際のレアドロップについては自動取得となります。
背中を壁か海にしておくとバックアタックを取られないので壁伝いに進軍すると安全です。

 

バトルパートのレビュー・注意点

非常に戦略性に富んだ歯ごたえのあるバトルが楽しめます
ただ、バトルが少なく感じます
タクティクス系のゲームとの触れ込みでしたので戦闘中にもどんどんストーリーが進むと思い込んでいたのですが、
あくまで大まかなストーリーはストーリーパートが担っています。

参考までにわたしがゲーム開始後2戦目のバトルが発生したのは、
1戦目から2時間半ほど経過したあとでした
序盤については世界観の説明の必要もあり、
往年のSRPGを念頭にプレイすると大きな肩透かしをくらう可能性があります。

また立体のフィールドはHD2Dで非常にきれいではあるのですが、
カメラ操作がむずかしく、マップが見づらい点も気になるかもしれません。

あとファイナルファンタジータクティクスなどとは違い、モンスター戦はありません。

 

RPGパートの解説

トライアングルストラテジーRPGパート
探索パートです。城下町や城内など、様々なフィールドを探索します。
フィールド内の民家や屋内への進入が可能で、
はしごの上り下りなどもできます。

回復の丸薬などのアイテム拾ったり、フレーバーテキストを拾ったりします。
(仮にも領主が民家を荒らす…?)

バトルパートと同じく、カメラが固定でなくぐるぐると動かせるので、
しっかり視点変更をして取りこぼしの無いように探索していきましょう。
(アイテムやフレーバーテキストは光っているので多少は探しやすいです)

緑色のアイコンが出ているキャラクターに話しかけると、
「信念」の選択画面に入ります。
ストーリー進行や仲間の加入に関わってきますので慎重に選択していきましょう。

またこのパートでもメニューから「詰所」へ移動することができます。

 

【最重要】トライアングルストラテジーの重要システム解説

トライアングルストラテジーの最重要システムに、
信念」と「投票」があります。
本作を独自のゲームたらしめる根幹的なシステムです。

 

信念システムの解説

トライアングルストラテジー信念パラメータの説明
トライアングルストラテジー信念パラメータの選択肢

ストーリー進行中、主人公セレノアに3つの選択が迫られる場面が幾度と発生します。
それぞれ「モラル」・「利益」・「自由」という3つの信念のパラメータに沿った選択肢となっており、
選択をするごとにパラメータが加算され、選んだ選択肢に沿ったストーリー展開と、
選択した信念に沿った仲間キャラクターが加わっていきます。

ゲーム中はどのパラメータに傾いているかを確認する方法がないため、
本作に独特の緊張感を与えています。
(真・女神転生シリーズのロウ・カオス・ニュートラルのようなイメージでしょうか)

 

投票システム:信念の天秤の解説

トライアングルストラテジー信念の天秤投票イベント説得中
信念システムと共に特徴的なシステムとして、
「投票」システムがあります。

主人公の生家であるウォルホート家に代々伝わる合議を取るための儀式で、
7つのコインを3つの皿のついた天秤にのせて決定するというものです。

領主には投票券が無いため、事前に説得を行うことになります(!)

投票権を持つキャラクターにももちろん言い分と希望があるため、
説得しても必ず通るというわけではないところもとても興味深いです。

トライアングルストラテジー信念の天秤イベントフレデリカ説得中
トライアングルストラテジー信念の天秤イベントロラン説得中

この各キャラクターの態度にも先述の「信念」の選択が影響を与えます。
そのためか、救済措置のキャラクターも配置されているところが令和のゲームと感じます。

トライアングルストラテジー信念の天秤イベント調整キャラクター

投票後は決定した結論にしたがってストーリーが決定的に変わってきます。

トライアングルストラテジー天秤イベント衆議決定時
トライアングルストラテジー天秤イベント衆議決定時その2

 

トライアングルストラテジー第3話後編分岐その1
トライアングルストラテジー第3話後編分岐2

 

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